●熱中症を防ぐために~気温管理と脱水予防を徹底しましょう~
暑い季節になると、体温調節がうまくいかなくなり、体内に熱がこもってしまう「熱中症」のリスクが高まります。命に関わる重篤な状態に至ることもあるため、気温・湿度の管理と脱水予防を徹底しましょう。特に高齢の方や小さなお子さん、持病のある方は注意しましょう。
●症状と重症度の目安
- Ⅰ度(軽症):めまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉のけいれん(こむら返り)など。涼しい場所で休み、水分・塩分を補給することで回復することが多いです。
- Ⅱ度(中等症):頭痛、吐き気、だるさ、集中力の低下などが見られ、医療機関での治療が必要になることがあります。
- Ⅲ度(重症):意識障害、けいれん、高体温(体温が40℃以上)など、命に関わる状態です。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
●気温管理—クーラーはためらわずに
室温28℃前後・湿度60%以下を目安にエアコンを稼働させると、深部体温の上昇を防げます。外気温が高い日は日中だけでなく夜間も使用し、「自動」設定で風向を天井に向けると冷え過ぎを防止できます。また、環境省が発表する「熱中症警戒アラート」が出ている日は、外出を控えエアコンを積極的に利用してください。
【クーラー以外の冷却方法】
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
- 遮光カーテン・すだれで室内への熱の侵入を抑える
- 首・脇・足の付け根を冷却タオルや保冷剤で直接冷やす
- 通気性の良い衣服や保冷ベスト、帽子や日傘を活用する
【脱水と塩分補給】
喉が渇く前からこまめに水分を取り、汗を多くかく場面では20〜30分ごとにコップ1杯(150〜200mL)を追加しましょう。飲料は0.1〜0.2%の食塩と糖分を含むスポーツドリンクや経口補水液が理想的です。日本人は食塩摂取が多いため、日常的な「追い塩」は不要で、とくに高血圧や腎疾患・心疾患のある方は過剰摂取を避けましょう。
●さいごに
めまい・筋肉痛・頭痛などI度の症状でも、涼しい場所で休んでも改善しない場合や高齢者・小児・基礎疾患のある方は医療機関受診を検討しましょう。酷暑期は無理をせず、室内外での温度管理と適切な水分・塩分補給で、熱中症から身を守りましょう。
