●アレルギー性鼻炎・花粉症とは?
鼻の粘膜がアレルギー反応を起こし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが繰り返し起こる病気です。症状が1年中続く「通年性」と、特定の季節に悪化する「季節性」があり、通年性の主な原因はダニやハウスダスト、季節性の主な原因は花粉です。
●花粉症ってよく聞くけど?
ダニや花粉が原因となるアレルギー性鼻炎は、年々増えています。これは、植林されたスギの花粉の飛散量が増えたことや、住宅の気密性が向上しダニが繁殖しやすくなったことが影響していると考えられています。2019年の調査では、10~59歳の方の45%以上がスギ花粉症、30%前後が通年性アレルギー性鼻炎を持っていると報告されています。
●診断について
どんなときに症状が出るのか、鼻の粘膜の状態、鼻水や血液の検査を組み合わせて診断します。血液検査では、アレルギーの原因を特定することができ、特に免疫療法を行う際には重要になります。
●治療について
まずは、アレルギーの原因となるスギやダニとの接触を減らすことが大切です。
【スギ花粉への対策】 | 【ダニへの対策】 |
•花粉情報をチェックする。 岡山県の花粉飛散情報 https://tenki.jp/pollen/7/36/ | •換気をしながら床や布団に掃除機をかけ、布団は乾燥させる。 |
•シーツ・カバー・カーテンはこまめに洗濯する。 | |
•マスクや眼鏡を着用し、ウールやフリース素材の服は避ける。 | •絨毯やカーペットを敷かず、布製のソファもできるだけ避ける。 |
•帰宅時には衣服や髪を払い、洗顔・うがい・鼻をかむ。 | •換気を行い、除湿機などで湿度を60%未満に保つ。 |
•換気は短時間にし、花粉の多い日は洗濯物を外干ししない。 | •エアコンのフィルターをこまめに掃除する。 |
•部屋の掃除をこまめに行い、特に窓際の掃除をしっかりする。 | •空気清浄機を使用する。 |
【薬物治療】
治療は主に飲み薬や点鼻薬を使用し、症状に合わせて使い分けます。花粉症の治療は、症状が出始める前から早めに開始することが重要です。特に点鼻薬は、症状が出る前から使うことで、ピーク時の症状を軽くできるとされています。
【舌下免疫療法】
アレルギーの原因となる物質を少しずつ体に慣れさせる治療法です。年単位で継続することで、薬を使わずに症状をコントロールできる可能性があります。ただし、重篤なアレルギー反応を起こすことがあるため注意が必要です。
●最後に
アレルギー性鼻炎・花粉症はとても身近な病気ですが、ひどくなると睡眠の質が悪くなったり、口呼吸になりやすくなるため、日常生活に影響が出ることもあります。まずは、アレルギーの原因との接触を避けることが大切ですが、それでも症状がつらい場合は、早めに薬物治療を検討しましょう。
参考 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会、鼻アレルギー診療ガイドライン差悪性委員会編:
「鼻アレルギー診療ガイドライン -通年性鼻炎と花粉症- 2024年版 改定第10版」 金原出版株式会社