高齢者と入浴に関する重要ポイント
入浴は、私たちの生活に深く根付いた習慣ですが、実は入浴は体にとって意外と負担が大きいものです。心筋梗塞などを経験された方のリハビリでは、入浴はリハビリプログラムの最後の段階で行われます。
特に「ヒートショック」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、温度差による体への影響がニュースなどで取り上げられることもあります。
そこで、今回は入浴時に気をつけていただきたいポイントをまとめました。
1. 入浴時の体への影響
- 高齢者の入浴時には、血圧、脈拍、酸素飽和度が変化します。
- 熱めのお湯(41℃):
- 血圧と脈拍が上昇しやすく、心臓への負担が大きい。
- 酸素飽和度が低下しやすい。
- ぬるめのお湯(38℃):
- 血圧が安定しやすく、心臓への負担が少ない。
- 酸素飽和度の変化も少ない。
- 熱めのお湯(41℃):
2. 肺気腫や呼吸器疾患を持つ方の注意点
- 浴槽での液浸(肩まで浸かること)は呼吸機能に影響を与える可能性があります。
- 肺活量が減少しやすく、酸素が不足することがあります。
- 腹式呼吸やゆっくりとした動作で入浴することで、酸素不足を防ぐことができます。
3. 室温の影響
- 室温が高い方が体への負担が少ない。
- 27℃の室温では、入浴後の血圧低下が緩やかで、体温も快適に保たれやすい。
- 冬場や低温の浴室では急な血圧の変動が起こるため、浴室や脱衣所を暖めることが推奨されます。
4. 安全に入浴するためのポイント
・家族が見守る環境を整え、特に体調が優れない場合は無理をしない。
・湯温は38℃〜40℃程度が望ましい。
・入浴時間は10分以内を目安に。
・入浴前後に十分な水分補給を行う。